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ARで工事の完成イメージを事前共有、2週間の検討期間が3日に:情報化施工(2/2 ページ)
大林組が、タブレット端末上からリニューアル工事の完成イメージを確認できるAR(拡張現実)アプリ「FutureShot」を開発した。BIMモデルとの連携も可能で、設計段階における顧客ニーズの把握や、施工管理の効率化に活用していく狙いだ。
BIMデータの活用も可能に
FutureShotは、市販のBIM(Building Information Modeling)ソフトで作成したあらゆる部材のモデルデータにも対応する。そのため、リニューアル工事以外のさまざまな工事にも適用可能だという。例えば、外構工事のために植栽のモデルを使えば、顧客と設計者とのイメージ共有に活用できる。
仮設足場設置工事で仮設足場のモデルを使用すれば、施工中の安全対策などに関する顧客との合意形成に活用できるだけでなく、仮設足場を計画する施工管理者と組み上げる建設技能者とで行う事前検討などにも利用できる。
なお、こうした部材のモデルや現場の図面は、サーバ上に登録されていれば、インターネット回線を経由してどこからでもタブレット端末に追加することができる。
大林組はリニューアル工事においてFutureShotを積極的に活用し、顧客への提案力向上に活用するとともに、合意形成の短縮による工事の早期着工に生かす。また、今後は開発したFutureShotを、次世代型のウェアラブルディスプレイと連携させることで、工事関係者間における施工手順の確認など、施工管理の高度化技術としても活用していく方針だ。
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