LIXIL、ZEH設計サポートを開始へ 「仕様策定からBELS取得まで」:省エネビル
LIXILは、ZEHの仕様策定からBELSの取得まで、ニーズに応じた5つのサポートを行う新サービス「ZEH設計サポート」を、2017年4月3日から提供すると発表した。
5つのメニューで高性能住宅の普及を促進
LIXILは2017年3月、全国のビルダー向けに展開している各種設計、申請サポートのラインアップに、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の仕様策定から、BELS(Building-housing Energy- efficient Labeling System、建築物省エネルギー性能表示制度)の取得まで、ニーズに応じてサポートを行う新サービス「ZEH設計サポート」を追加し、同年4月3日から全国で提供すると発表した。
同社は、2020年の省エネルギー基準の義務化を見据え、ZEHの普及促進などを通じて、住宅の高性能化に取り組んでいる。しかし、2016年4月にスタートしたZEHビルダー登録制度では、登録ビルダーのうち79%が補助金申請をしていない(環境共創イニシアチブの資料より)。高性能住宅の普及には、課題が残っているといえる。そこでLIXILは、住宅の断熱性能を上げる高性能建材と合わせ、ビルダー向けの設計サポートを提供していくことで、高性能住宅の普及促進を図るため同サービスをスタートする。
同社はこれまで各種設計、申請サポートを実施し、地震に強い設計や窓を生かしたデザインをはじめ、国の施策や住宅ローン減税などに対応する適合証の取得手続きを支援してきた。このサポートに加わるZEH設計サポートは、5つのメニューを用意。ビルダーのプランが、ZEH基準に適合するかを判断する「簡易ZEH判定・アドバイス」から「BELS申請取得サポート」まで、住宅の高性能化を考えるビルダーのニーズに対応する。
「簡易ZEH判定・アドバイス」(図1のA)は、ZEH基準をクリアするアドバイスを提供する。それ以外では、目標の性能達成まで何度でも判定を実施するなど、ZEH基準判定だけにとどまらず、目標性能の達成まで継続してサポートすることを目指している。
簡易ZEH判定・アドバイスでは、ラフプラン段階の実物件や参考モデルプランなどの住宅に対して、簡易外皮計算、一次エネルギー消費量計算、ZEH判定を実施する。基準に満たない場合は仕様変更提案付きのアドバイスシートを、基準適合の場合はプラン確定に向け注意するポイントを記載したシートを提供するという。
ビルダーからの要望も多かった建築物の省エネルギー性能を表す第三者認証制度であるBELS申請取得サポート(図1のB、C)は、新築住宅の性能に応じ2つ星〜5つ星(ゼロエネ相当)まで対応する。目標の性能を実現するための提案や申請図書作成(A4約100枚)、性能根拠資料の収集、評価機関とのやりとり、評価ラベルの取得までトータルで実施する。ZEHに適合する仕様を作るための設計サポート(図1のD)や、長期優良住宅をはじめとする別の設計サポートへのオプション設定(図1のE)も用意した。
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