3D自動設計で土木を革新、ダッソーがCIMプラットフォームを展開:BIM/CAD(1/2 ページ)
ダッソー・システムズは国内の建設業界向けにCIMソリューションの提供を開始した。大容量データの扱いやすさや、豊富な3Dの設計テンプレートと自動設計機能などを特徴としている。国交省が「i-Construction」を推進するなど、建設分野へのICT活用に向けた動きが活発化する中、CIMを活用した土木工事の効率化ニーズを取り込んでいきたい考えだ。
ダッソー・システムズ(以下、ダッソー)は、国内の建設業界向けにCIMソリューション「シビル・デザイン・フォー・ファブリケーション」(以下、CDFF)の提供を開始した。i-Constructionを筆頭に、土木分野へのICT活用が加速する中で、CIM(Construction Information Modeling)の活用も広がり始めている。CDFFは3Dモデルの利用をベースに、設計から施工、維持管理までのデータを統合できる土木向けのCIMプラットフォームで、この上で利用できる3D CADなどのソフトウェアや関連ツールなどをプロジェクトに応じてパッケージ化して提供する。2017年3月21日から受注を開始した。
SMEDIと共同開発
CDFFはダッソーの上海にある研究センターと、パートナーシップ契約を結ぶ中国の土木エンジニアリング大手企業である上海市政工程設計研究総院(SMEDI)が、実際の複数の土木プロジェクトをベースに開発を進めた。
システムの基盤となるのが、同社が「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」と呼ぶ、データプラットフォームだ。設計、施工、さらにはその後の維持管理に関するデータなど、土木事業に関するさまざまなプロセスや情報を、1つのプラットフォーム上に統合するという考え方に基づいている。これにより異なる企業や部署間での連携を行いやすくし、さらに設計と施工の連携性を高めて手戻りを削減することで、生産性の改善に寄与するという考え方だ。
CDFF上での設計は、主に同社の3D CADである「CATIA」を中心に行うことになるが、IFCなどの標準フォーマットに対応しており、他社のソフトウェアで作成されたデータの取り込みも可能だ。そして、同一プラットフォーム上でFEM解析なども行える他、コスト、数量、仕様、スケジュールなど、さまざまな属性情報とひも付けて管理できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.