道路の老朽化を素早く判断、パナソニックが非破壊手法を実用へ:情報化施工
パナソニックは高速道路の鋼橋などインフラの老朽化を、赤外線カメラで診断できる技術を開発中だ。このほど阪神高速道路とこの技術を活用して鋼橋の寿命診断を行う研究契約を締結した。インフラの老朽化が進むで高まっている検査手法の効率化ニーズに向け、早期の実用化を目指す考え。
パナソニックは、自社内で製品検査などに用いてきた赤外線解析による非破壊検査技術(応力測定技術)を、高速道路の鋼橋などインフラの診断への適用を目指して研究を進めている。このほど同技術の実用化による事業化を目指して、阪神高速道路と鋼橋の寿命診断を行う、第二次共同研究の契約を締結した。同契約に伴う実証は2018月3月末まで行う予定だ。
パナソニックは、インフラ老朽化対策に活用できる保有技術の応用検討を以前から行ってきた。今回、インフラの老朽化診断に活用するのは赤外線を利用した応力測定技術で、同社の業務用機器の設置用金具の耐久検査などに活用してきたものだ。これは、対象材料に生じる力に比例して起こる表面の微小温度変化を捉えることで応力を測定する技術である。独自のアルゴリズムを用いたこの応力測定技術を確立し、同社は鋼橋などインフラの診断への応用のための研究に取り組んでいる。
こうした中、パナソニックは、阪神高速道路が2015年5月20〜21日に開催した「コミュニケーション型技術募集・共同研究の公募相談会」に応募し、審査の結果、共同研究のパートナーとして選定された。阪神高速道路では、大規模修繕・更新、長寿命化の課題を解決するシーズを募集しており、阪神高速道路の鋼橋維持管理ノウハウと同社の赤外線応力測定技術、画像解析技術やSIスキルを組み合わせた、新しい鋼橋検査手法を確立し、高度化・効率化に異業種連携で取り組むことで合意した。
第一次共同研究(2016年1月末〜6月末)では、同社から提案した赤外線を用いた応力測定技術が、鋼橋の疲労照査に活用できる実用レベルの精度であることを実証実験にて確認できたという。そして、昨年末からの第二次共同研究(2018年3月末)では、第一次共同研究での実績をもとに、より実用的な寿命診断適用へ向けた共同実証実験をスタートさせた。
同社は、この共同研究での実証実験の実績をもとに、今後、ますます深刻化が予想されるインフラ老朽化対策へ向け、鋼橋の寿命診断するための応力頻度測定までを含めたシステムの実用化および事業化を目指す。
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