ドローン測量の課題をクリア、座標を自動取得する対空標識:情報化施工
建設現場でドローンを使った3D測量が広がっている。効率よく測量が行えるメリットがあるが、現場の課題となっているのが対空標識の設置と測量に手間と時間がかかる点だ。テラドローンはこうした課題を解決するGPS内蔵の対空標識の販売を開始した。自動で位置情報を取得でき、置くだけでTS測量を省くことができる。価格も数万円と安価に設定した。
ドローン測量事業を展開するテラドローンは、GPSモジュール内蔵の対空標識「AeroPoint」の販売を開始した。従来測量時に必須であった対空標識の測量が不要となり、現場での作業時間が大幅に短縮できるという。同時にAeroPointを活用した測量サービスも展開する。
国交省が進める「i-Construction」の進展で、建設現場でドローンを使った3D測量が広がっている。効率よく測量が行えるメリットがあるが、現場の課題となっているのが対空標識の設置や測量に手間と時間がかかる点だ。
3Dデータの精度を高めるためには、ドローンで撮影した空中写真と実際の地形との関係を明らかにする必要がある。そこで、撮影前に地上に多数の対空標識を設置し、トータルステーションなどを利用して人手で座標値を算出する必要があった。
テラドローンが販売するAeroPointはこうした手間を省ける製品だ。GPSを内蔵しており、座標位置を自動的に取得することができる。座標位置の情報は、AeroPointが内蔵する無線LAN経由でスマートフォンなどに送信する仕組みだ。相対精度1cm(センチメートル)以下、絶対精度2cm以下を実現するという。
大きさは40cm(センチメートル)四方で、完全防水、太陽電池モジュールによる発電に対応している。豪Propeller Aerobotics社が開発した製品で、テラドローンが日本での販売を行う。こうしたGPS内臓の対空標識は高価なものが多かったが、販売価格は「数万円程度を予定している」(テラドローン)という。
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