マンション向けVR、ハードもコンテンツも一括提供:BIM/CAD
福井コンピュータドットコムは2017年4月からマンション向けのVRシステムを提供する。必要なハードウェアやVRコンテンツの制作なども含めたパッケージ商品として展開し、モデルルームなどへのVRシステムの導入を支援する。
福井コンピュータホールディングスのグループ会社である福井コンピュータドットコムは、2017年4月から「マンションVRシステム」を販売する。マンション向けのVR(バーチャルリアリティ)システムに必要なハードウェアやプログラム、コンテンツ制作などを含めたパッケージ商品で、モデルルームなどへのVRシステムの導入を支援する。
3DモデルやBIMデータを加工し、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)で建物の完成イメージなどを体感できるVRシステムに注目が集まっている。高さや幅、内装のイメージなどを事前に把握しやすいというメリットから、特に住宅やマンション販売などの一般消費者に近い領域で先行して活用が進んでいる。
一方、ハウスメーカー側の立場からすると、モデルルームなどにVRシステムを導入する場合、コンテンツの制作や、HMDといったハードウェア機材の用意に手間が掛かるといった課題がある。福井コンピュータードットコムが展開するマンションVRシステムは、HMDやワークステーション、4Kディスプレイなどのハードウェア、VRコンテンツの制作などをパッケージ化し、さらに物件単位でレンタルできるサービスとすることで、導入障壁の低減を図った。
HMDには「HTC Vive」を採用している。モデルルーム内の最大3×4メートルのスペース活用し、専用コントローラーで建物の3Dモデル内を「自由に動き回る」ことができる。3Dの空間を見渡すだけでなく、自分の身長に合わせた目線で自由に歩き回ったり、家具に手をかざしたり、座ったりするなど、その場にいるかのような体験ができるとしている。サービスの年間レンタル料金は税別190万円から。追加用のVRコンテンツなどは別途オプションとなる。
なお、このマンションVRシステムは、2017年2月から東京建物の新築分譲マンション「ブリリアタワー八王子」のモデルルームなどに先行試験導入を行った。ゲストサロンにVR体験コーナーを常設し、展示している住戸プランとは異なる間取りや仕様イメージの提案などに活用しているという。
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