横浜に低炭素マンション、エネファームを全66戸に採用:省エネビル
明和地所は横浜市に建設する分譲マンション「クリオ横濱綱島」の全66戸に、東京ガスが販売する家庭用燃料電池エネファームを採用する。これにより神奈川県で初めて低炭素建築物認定を取得した。
明和地所(東京都渋谷区)は、東京ガスが販売するマンション向け家庭用燃料電池「エネファーム」(マンション向けエネファーム)を、同社の分譲マンション「クリオ横濱綱島」(横浜市)の全66戸に採用する。明和地所がマンション向けエネファームを採用するのは今回が初めて。また同物件は、神奈川県で初めて、マンション向けエネファームを全戸採用したことによる低炭素建築物認定を取得した。
低炭素建築物は、「都市の低炭素化の促進に関する法律(エコまち法)」で定められ、建築物における生活や活動に伴って発生する二酸化炭素を抑制するための低炭素化に資する措置が講じられている建築物を指す。
エネファームは、都市ガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させて発電する。発電した電気は家庭内で利用し、その際に出る熱も給湯に使う。電気をつくる場所と使う場所が同じであるため送電ロスがなく、また発電時に出る熱を効率的に活用できる。2009年度から販売がスタートし、2015年度には年間販売台数が4万台を突破した。
明和地所では、東日本大震災以降、エネルギー利用や環境問題に対する意識の高まりを受け、今回クリオ横濱綱島の全戸に「停電時発電継続機能」を内蔵したマンション向けエネファームの採用を決めた。
同物件は、鉄筋コンクリート造・地上7階建て。マンション向けエネファームの導入に加え、太陽光発電や蓄電池を共用部に配し、「快適に暮らしながら、一次エネルギーの消費量を低減する住まい」の実現をめざした環境共生型集合住宅を計画した。エントランスから繋がる水盤や敷地全周の植樹、屋上緑化などの共用部分、風通しの良い住戸プランやグリーンカーテンを設置できる専用部分など、自然の力を利用したパッシブデザインを取り入れ、快適・節約・節電となるような住まいを提案している。販売は2017年2月中旬から開始する予定だ。
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