「人工筋肉」が動きをアシスト、建設現場の作業負荷を軽減:現場管理
ベンチャー企業のイノフィスは「第3回 ウェアラブル EXPO」(2017年1月18〜20日、東京ビッグサイト)に出展し、腰補助用のマッスルスーツの新型モデルを披露した。「人工筋肉」の力で人の動きをアシストすることで、建設現場などでの作業負荷を軽減できるという。
ベンチャー企業のイノフィスは「第3回 ウェアラブル EXPO」(2017年1月18〜20日、東京ビッグサイト)に出展し、腰補助用のマッスルスーツの新型モデルを披露した。人手による建設現場での作業負荷を軽減できるという。2017年2月1日から全国で発売する。
イノフィスは東京理科大学発のベンチャー企業。同社がマッスルスーツと呼ぶ、「人工筋肉」を利用した現場作業の負荷を軽減するアシストスーツの開発を進めている。
人工筋肉は主にゴムチューブとナイロンメッシュでできており、空気圧で伸縮する仕組みだ。この人工筋肉を利用したマッスルスーツを装着すると、人工筋肉の伸縮力でさまざまな人の動きをアシストすることができる。マッスルスーツは約10秒ほどで装着でき、モーターなどの機器を搭載していないため、火気禁止のエリアでも利用できる。
今回開発した新型モデルは、手押しポンプなどで空気を注入して利用するスタンドアロン型で、荷物の上げ下ろしや、前傾姿勢による作業時の腰の負担を軽減する腰補助用のモデル。従来モデルからデザインを刷新し、装着したままでも歩きやすくするなどの改良を図った。補助力は最大約25kg(キログラム)で、本体の重量は約5kgだ。
2種類のモデルを展開し、屋外での業務や広いエリアでの業務向けのソフトフィットタイプが税別80万円、介護サービスなど小スペースを行き来する業務向けのタイトフィットタイプが税別70万円だ。
イノフィスのマッスルスーツは、既に竹中工務店が実証導入するなど、建設現場での採用事例もある。建設作業現場では作業員の不足や高齢化が課題となる中、現場作業の負荷を軽減できるマッスルスーツの強みを生かし、イノフィスでは今後も建設業界向けへの展開に注力していく方針だという。「安全帯を装着したままでも使いやすくするなど、建設現場向けに改良を進めていく方針だ」(同社)
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