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建築の木材利用を加速、竹中工務店が自社技術を他社に展開省エネビル(2/2 ページ)

規制緩和や国内の林業活性化に向けた取り組みが進んでいることを受け、注目が集まっている建築物への木材利用。竹中工務店は環境展示会「エコプロダクツ 2016」に出展し、自社の木材活用技術を展示した。これまでは自社案件のみに適用していたが、ライセンス契約で他社にも提供し、建築への木材利用を後押ししていく方針だ。

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耐火集成木材も他社に提供

 ブースで紹介したもう1つの技術が、耐火集成木材「燃エンウッド」だ。純木の荷重支持部とモルタルと木で構成された燃え止まり層、純木の燃えの3層で構成され、柱・梁などの構造部材として用いる。火災が発生した場合には最外層の燃え代層が断熱性能の高い炭化層となり、内部の燃焼進行を抑制する仕組みとなっている(図3)。


図3 「燃エンウッド」のカットモデル。モルタルが入っている部分が、燃焼を抑制する燃え止まり層だ(クリックで拡大)

 燃え止まり層では、モルタルと集成材を交互に配置し、モルタルで熱を吸収しながら燃焼を停止させ、部材の中心部にある荷重支持部を火災から保護する。火炎環境下でも、建物を支える荷重支持部の温度を260度以下に抑制する仕組みだ。なお、燃エンウッドは建築基準法で規定される1時間の耐火性能を持つ構造部材として、国土交通大臣認定をしている。9m(メートル)程度の柱間隔(スパン)の木構造の建築計画であれば、他の構造種別(RC造・鉄骨造)と同様に特別な手続きを要せずプロジェクトを進められる。現在までに6件の導入実績があるという(図4)。


図4 「燃エンウッド」の概要(クリックで拡大)出典:竹中工務店

 竹中工務店ではT-FoRest Wallと同様に、燃エンウッドについても、製造・販売ライセンス契約を他社と結ぶ方針だ。年内に集成材メーカーの齋藤木材工業、藤寿産業、銘建工業の3社と契約を締結する予定としている。現時点で契約の適用範囲は国の機関、地方公共団体が発注する工事となるが、今後拡大を進める方針だ。

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