Vectorworksの新版登場、Revitデータ対応や展開図の自動生成機能も:BIM/CAD
エーアンドエーはVectorworksの最新バージョンを2016年1月から発売する。Revitデータの取り込みに対応する他、4面の室内展開図を自動生成する機能など、さまざまな新機能が追加された。
キヤノンマーケティングジャパングループのエーアンドエー(東京都千代田区)は、CADソフトの新バージョン「Vectorworks 2017」を2017年1月13日に発売すると発表した。価格は税別30万5000円から。
Vectorworks 2017は、2D/3Dのシームレスな作図・モデリング機能をはじめ、豊富なプレゼンテーション機能、リアルなレンダリングなど、デザイナーの設計環境を支援する汎用CADソフトウエア。ベーシックな「Vectorworks Fundamentals」をはじめ、BIM・3D設計を可能にする建築設計向けの「Vectorworks Architect」、造園設計向け「Vectorworks Landmark」、舞台照明/設計向け「Vectorworks Spotlight」など専門分野ごとに選べる製品構成を提供する。
提供形式は2つ。PCごとにライセンスを管理する「スタンドアロン版」とサーバ/クライアント型で大規模なライセンス管理、運用を可能にする「サイトプロテクションネットワーク版」の2種を用意する。
新バージョンは自由なモデリングを支援する「サブディビジョンサーフェス」機能を強化することで、3Dソリッド、ポリゴンメッシュなどの図形属性からサブディビジョン図形への変換が可能となり、3Dモデリングがより容易になった(図1)。さらに、ブリッジモード、ミラーモデリングモードを追加し、柔軟な3Dモデリング環境を支援する。
BIM・建築設計を支援する「Vectorworks Architect 2017」は、プロジェクト共有の図形単位での共有管理を実現し、利用状況をカラーとスクリーンヒントで即座に判別可能となった。新たに搭載した4面の室内展開図を自動生成する機能や、AutodeskのBIMソフト「Revit」のデータ形式の取り込みへの対応、陸屋根の勾配と谷線の作成が可能なスラブ水勾配ツールなどにより、作図作業の効率化が図れる(図2)。
この他、新たなシェアインタフェースとしてWebビュー取り出し機能を搭載(デザインシリーズ以上のみ)。WebブラウザーやVRゴーグルで3Dモデルの空間を仮想体感できる。また、実写データと3Dモデルとのフォトモンタージュを実現するCamera Match機能を搭載し、イメージを具現化したプレゼンテーションが可能となった。多彩な2D表現を追求した2D図形や文字への影の表現効果と透明な背景のイメージ取り出しや、誰でも利用できるVectorworks Cloud Services でVectorworks 2017でのコミュニケーションを強化したところなども特徴となっている。
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