拡張現実と音声入力でビルの設備点検をスピードアップ:FM(1/2 ページ)
三菱電機はVR(拡張現実)表示と音声入力を活用した、設備点検作業の支援技術を開発した。VR技術で実際の設備上に作業手順を表示し、さらにその点検記録の内容を音声入力で行える。騒音が大きい作業現場でも点検結果が記録できるという。
三菱電機はウエアラブル端末を活用し、AR(拡張現実)表示による点検手順の確認とハンズフリーでの点検結果の音声入力ができる「3次元モデルARを用いた保守点検作業支援技術」を開発した。「高騒音下音声認識技術」により騒音が大きい作業現場でも高精度に音声での点検結果の記録ができるため、水処理プラントやビルの電気設備など、さまざまな現場での作業員の負荷軽減や点検ミスの抑制に貢献する。
近年、点検作業のペーパーレス化、効率化、漏れ防止などを目的として、点検手順などをタブレットPCやウエアラブル端末上にAR表示する作業支援システムの実用化が進んでいる。
一方、従来のシステムは写真などの2次元画像をもとにAR表示する方式であるため、大規模な施設の点検に対しては大量の写真データが必要という問題がある。また、両手が自由な状態で点検結果を記録できる音声入力も期待されているが、入力結果を確認する手順の効率化や現場の騒音下での認識精度向上が課題だった。
三菱電機は今回、点検対象との距離や角度にかかわらず正確な位置にAR表示できる3次元モデルARと、現場の騒音下でもAR表示と連動した音声対話により点検結果を漏れなく正確に入力できる騒音下音声対話技術に基づく3次元モデルARを用いた保守点検作業支援技術を開発した。これにより、同社システムの付加価値向上およびビルの電気設備などを始めとした設備の保守ビジネスの拡大を目指す(図1)。
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