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供用中の橋梁を遠隔監視、カメラとセンサーで維持管理を効率化情報化施工(2/2 ページ)

西松建設と大日本コンサルタントなどで構成するコンソーシアムは、センサーやカメラで供用中橋梁を遠隔監視できるモニタリングシステムのプロトタイプを開発。福岡県久留米市にある築42年の道路橋で実証実験を開始した。道路橋梁の点検後に任意のポイントを継続的にモニタリングできるようにするなど、維持管理コストの効率化や負荷軽減に貢献するシステムだという。

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1セット300万円を目指す

 実証実験の目的は、実環境下におけるデバイスの動作安定性や耐久性の試験を実施し、システムの有効性を確認するとともに、計測データを閲覧する見える化アプリを開発・改善することだ。定期点検の機会を活用し、点検作業との並行作業でシステムを取り付けられるようにするため、設置の容易な一体型センサーユニットの開発や、橋梁への取り付け方法などの改善にも取り組む。

 橋梁などの定期点検で健全性に問題ありとの判定した場合、補修・更新までに要する期間は一定ではない。今回の実証ではこうした現状に即したシステムを目指し、次の定期点検が実施されるまでとして、5年間の実証期間を設ける計画だ。

 国土交通省が発表している「道路メンテナンス年報(2015年年11月)」によれば、道路橋梁は全国に約72万橋ある。その中でも特に財政状況が厳しい地方公共団体が管理する橋梁は約66万橋におよぶ。また、建設後50年を経過した橋梁の割合は、2015年現在では約18%だが、今後10年で倍以上の約42%に増加する見込だ。

 これを受け、2013年の道路法の改正で、道路管理者は5年に1度、全ての橋梁を対象に近接目視で点検を行い、健全性を4段階で診断・評価することが義務付けられており、現在、計画的かつ迅速に管理橋梁全体の点検が進められている。その結果、本格的な近接目視点検が初めて行われる橋梁を中心に点検が進むとともに、機能に何らかの支障が生じていると判定される橋梁が増えていくと見られている。インフラモニタリングシステムはこうした背景を受け維持管理の効率化や負荷軽減を目的に開発したもので、開発と実証には佐賀大学、長崎大学、久留米市の協力を得た。

 今後は各センサーの仕様の検討、見える化アプリの操作性などの改善を進めるとともに、九州地方をはじめとする自治体、橋梁管理者に対し同システムの普及を図りたい考えだ。システムの標準セットの費用を、設置費も含め300万円と設定し、ユーザーの要望に応じてオプション対応していくビジネスモデルも検討するとしている。

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