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「繋がりの時代」における建設プロセスBIMで変わる建設業の未来(2)(1/3 ページ)

BIMを筆頭に、建設業界に関連する最新技術の活用状況の現在と、今後の展望について解説していく本連載。第2回では改めてBIMの定義と、その活用に至るまでの歴史を振り返る。

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 「BIM(Building Information Modeling)」という言葉を全く聞いたことがないという人もかなり少なくなってきたとは思うが、ここでは改めてこの言葉の定義と、その活用が具体化するまでの歴史を振り返ってみたいと思う。というのも、BIMが建築および建設業界におけるICTの活用を主軸にしたものである以上、その定義は時代によって刻々と変化していくからだ。

 ICTの進歩のスピードは速く、日々新しい技術が登場していると言っても過言ではないだろう。ハードウェアの普及、ソフトウェアの進化、さらにはインフラの整備により、実現できる事も10年前とは全く違う。さらに、国によって環境も違えば、各企業、物件によってニーズも異なるのだ。これまでのBIMの発展を見つめ直すことで、今後目指すべき方向についての展望も見えてくるだろう。

2Dから3D、そしてBIMによる「繋がりの時代」へ

 BIMは、2Dか3Dか、ではなく建物情報を活用した連携へと進化している。BIMという言葉をあえて説明する必要もないかもしれないが、「Building Information Modeling」の頭文字を取ったものだ。建物の情報を3Dモデルとして構築して設計を進め、図面や一覧表などの成果物に活用するというプロセスを意味する言葉となっている。派生的に、施工や土木分野向けに「CIM」という言葉も使われるようにになったが、3Dのモデルを活用した設計という意味では共通している。

 BIMの進歩を考えるにあたっては、3つの時代に分けて捉えることができる。「ドキュメント化」「最適化」「繋がり」の時代である。「ドキュメント化」の時代には、2D CADを利用することで設計図面を作成する効率が大幅に向上した。3Dのモデリングツールも、パース画像を高品質かつ迅速に作成できるようになったものという意味では、この時代に属するだろう。


BIMの進歩は3つの時代に分けられる 出典:オートデスク

 次に「最適化」の時代になり、今までバラバラに作業していた2D CADと3Dモデリングツールの機能を1つにし、そこに建物特有の情報を付加したBIMツールが出現した。3Dでビジュアライゼーションを行いつつ、平立断面図の整合性を図り、同時に数量拾いを行うなど、建物情報を統合的に活用できるようになった。さらに構造解析や環境シミュレーション、施工検討など、さまざまな分析を3Dモデルを利用して行うことが可能になった。

 時代が進み今は「繋がりの時代」が来ていると言える。さまざまなアプリケーションが連携し、データとデータ、人と人、モノとモノが繋がるようになっている。例えば、離れた場所にいる複数のメンバーが同じ情報にアクセスし共同作業ができる。クラウドにデータを保存することで、情報を変換することなく、パース、平面や断面で、一覧表やグラフとして、同じ情報を別の表現で表示して編集し、コミュニケーションをとることができる。タブレットやスマートフォンなどの登場も、こうした発展に大いに貢献していると言えるだろう。

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