トイレの空き状況がすぐ分かるIoTサービス、CTCが開発:FM
伊藤忠テクノソリューションズは、トイレにセンサーを設置し、スマートフォンなどからリアルタイムに個室の空き状況を確認できるクラウドサービス「IoTトイレ」を開発した。2016年秋をめどに東京都内のオフィスビルのオーナーや管理会社向けに販売する。
伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)は2016年10月17日、トイレのドアにセンサーを設置することで、リアルタイムに個室の空き状況を確認できるクラウドサービス「IoTトイレ」を開発したと発表した(図1)。同年秋をめどに東京都内のオフィスビルのオーナーや管理会社向けに販売する計画だ。
IoTトイレは2015年度にCTCが実施した業務改善や問題解決につながるツールを作成する社内コンテストから生まれたという。同社では一定の時間帯に個室トイレの利用が集中する傾向があった。こうした課題に対処するため、スマートフォンなどから簡単にトイレの空き状況を把握できるようにすることを狙ったサービスだ。
同サービスは発電用の太陽光パネルと無線を内蔵したセンサーを使用し、個室トイレのドアの開閉状態を判断する(図2)。その情報をもとにPCやスマートフォンなどからトイレの空き状況を確認できるクラウドサービスだ。独立電源タイプのセンサーを設置するため、電源の確保や配線工事、サーバの設置などが不要であり、小規模なオフィスにも導入しやすくした。
CTCではIoTトイレの販売に先駆け、三井不動産と共同で、東京都千代田区の「霞ヶ関ビル」で2016年4〜7月にかけて実証実験を行った。この成果を踏まえ、長期間にわたる連続運用やセンサーの感度調整、データ送受信に関するプログラム改修を実施している。既にCTCの都内のオフィスに導入を開始しており、自社実践と改良を経て2016年秋から一般販売を開始する。
CTCはセンサーを活用し、従来は定量化されていなかったデータを可視化する「IoTサービス」のラインアップの拡充に注力している。今後も会議室の空き状況管理や勤怠管理など、オフィス向けIoTサービスを拡充する方針だ。
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