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停電しても制震性能を維持、新宿の超高層ビルを免震改修省エネビル

野村不動産と竹中工務店は東京都新宿区にある1978年竣工の「新宿野村ビル」の免震改修工事を実施した。今後想定される大規模地震に対応する狙いだ。停電時にも制震機能を維持する両社独自開発の制振装置を導入した他、建物の安全度を計測できるモニタリングシステムも導入した。

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 野村不動産と竹中工務店が「新宿野村ビル」(東京都新宿区)の長周期地震動対策として実施した制振装置「デュアル TMD-NT」の設置工事が2016年9月30日に完了した。設置前と比較して、東日本大震災や想定した南海トラフ地震と同等レベルの長周期地震動による揺れ幅を約20〜25%低減し、揺れ時間を約50%短縮できるとしている。

 「新宿野村ビル」は1978年に竣工した高さ209.9m(メートル)の高層ビル。既に十分な耐震性能を有していたが、長周期地震動に対して最先端の超高層ビルに匹敵する十分な制振性能を備えることを目的に今回の工事を実施した。

 設置した制震装置であるデュアル TMD-NTは、建物の揺れと逆方向に動くおもりを用い、建物の揺れを抑制する。今回は建物の最上階にあたる52、53階の内部に2基を設置した。1基のおもりを2段積層ゴムとリニアスライダーで支持し、建物の揺れ幅が小さい時は積層ゴムが、揺れ幅が大きい時はリニアスライダーがおもりを支持するスライド式の機構で、その揺れをオイルダンパーで減衰する仕組みとなっている(図1)。


図1「デュアル TMD-NT」のイメージ 出典:竹中工務店

 電力を使用しないため、停電が発生した場合でも制振性能の維持が行えるというメリットもある。制振装置の動きは防災センターでモニタリングし、制振性能を確認できるようにした。このような装置を長周期地震動における揺れ軽減対策として改修する例は日本初になるとしている。なお、デュアル TMD-NTにおける制振装置の構成は、野村不動産と竹中工務店が独自開発したもので、両社共同で現在特許を出願中である。

 さらに新宿野村ビルには今回の振装置の導入に加え、NTTファシリティーズの建物安全度サポートシステム「揺れモニ」も導入した。全フロアに設置した地震計から建物の変位を解析し、ビル内の防災センターでリアルタイムにモニタリングをすることで建物内の安全状態を確認できるシステムだ。

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