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老朽化不動産を強くもうかる資産に「再生」、旧耐震基準も対応FM(1/2 ページ)

三井不動産は老朽化不動産の再生コンサルティングサービスを開始した。老朽化した住宅や建築物の耐震化が進まないことが問題となっているが、その要因となっている高額な改修費用や資金調達、投資回収を含めた採算性の課題解決をまとめてサポートする。実際の改修は青木茂建築工房の「リファイニング建築」の手法を活用し、建て替えの70%程度のコストに抑える。

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 三井不動産は2016年8月30日、青木茂建築工房と業務提携し、老朽化した不動産の再生コンサルティングサービスを開始した。旧耐震基準で建てられた建築物も対象とし、建て替えの70%程度のコストで改修できる点が特徴だ。

 老朽化した不動産では、多くの場合課題その耐震性が課題となる。国土交通省の調査では2013年時点で全国の住宅の約17%、900万戸が耐震性に問題があるとしている(図1)。この900万戸は1981年5月まで適用されていた旧耐震基準にもとづいて建てられたものだ。


図1 2013年時点の住宅の耐震化率を表したグラフ。国土交通省のデータから三井不動産が作成 出典:三井不動産

 こうした住宅や建築物の耐震化が進まない理由の1つに、不動産オーナーの耐震化に対する投資が困難になっている点が挙げられる。1981年5月まで適用されていた旧耐震基準で建てられた不動産は、競争力の低下などにより今から耐震化を行っても賃料収入が上がらず、資金回収ができない見込みが高いからだ。工事費の高騰も影響しているだろう。

 さらに耐震化を行うには、相続や権利関係の整理といった不動産的問題、賃貸募集で問題となるブレースなどの耐震補強や、検査済み証が無く行政協議に大きな支障があるといった建築的問題、耐震補強だけを行っても事業として資金回収ができない、金融機関から長期融資が受けられないといった賃貸事業の問題など、さまざまなハードルがある。

 今回、三井不動産と青木茂建築工房が開始したサービスはこうした課題に着目したものだ。事業推進の前段で課題となる相続、権利関係などの調整、事業性能の検証、さらに実際の改修など耐震化事業全体を引き受け、築年数を問わずに賃料の改善や資金回収ができる賃貸不動産への再生をサポートする。

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