ZEHのその先へ、パナソニックが新工法で描くスマート住宅:省エネビル(2/2 ページ)
パナソニックESテクノストラクチャーは、独自の耐震住宅工法「テクノストラクチャー」とZEH普及拠点を新たに設立。耐震性と環境性能を併せ持つスマート住宅の普及を強化していく。
ZEHの先を行く「スマートウェルネス住宅」
パナソニックESテクノストラクチャーでは、ZEHの一歩先を行く、安心・健康に配慮した「ウェルネス」の要素を加えた「スマートウェルネス住宅」を提案している。
そのため新施設でもZEHコーナーを用意、ZEHやスマートウェルネス住宅の実現に重要な役割を果たす設備や機器を体験型で展示。高い断熱性を実現する「サーモロックシステム」や「Low-E複層樹脂サッシ」の性能比較や、HEMSを実際に操作して電気の見える化を体験することなどができる。
屋根にはパナソニックの太陽電池モジュールHITを42枚(10.29kW)搭載。屋根に穴をあけずに太陽光パネルを設置でき、地震対策としても注目される軽量の屋根材「機能屋根システム」を採用している。普通は見る機会の少ない屋根上の太陽光パネルの設置状況を、ルーフガーデンからすぐ間近で見学できる。
3割弱だったテクノストラクチャーのZEH構成比を100%へ
今後は、新施設をパナソニック ビルダーズ グループ加盟店やテクノストラクチャー工法採用ビルダーの支援を強化。特に関東地区での実績拡大に取り組む考えだ。
パナソニックESテクノストラクチャー社長の松本雄太郎氏は「テクノストラクチャーのZEHの特徴は、高効率の太陽電池と建物そのものの性能を高めたバランスのよいZEHを実現していくところにある。さらにパナソニックではZEHの先にある、エネルギーの効率の良い住宅に安全で安心、健康に暮らせるという要素を組み込んだスマートウェルネス住宅を目指していく」と方針を述べた。
同社では新施設を有効活用し、パナソニック ビルダーズ グループ加盟店やテクノストラクチャー工法採用ビルダーの支援を強化するとともに、テクノストラクチャーによるZEHの普及を推進。2015年度で3割弱だったテクノストラクチャーのZEH構成比を、パナソニック100周年に当たる2018年度には100%に近づけていく方針を示している。
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