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3D CADにVR空間画像の出力機能、提案力向上にBIM/CAD

建造物のプレゼンテーションにVR(バーチャルリアリティ)を活用しようという動きが進んでいる。日本ユニシス・エクセリューションズは同社の住宅用3D CAD「DigiD」のオプションソフトの新版、VR空間画像の出力機能を追加した。

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 CAD/CAMシステムの開発を行う日本ユニシス・エクセリューションズ(UEL)は、住宅設計3次元(3D)CADシステム「DigiD(デジド)」のオプションソフトである「AIREALMEISTER(エアリアルマイスター)」の新バージョン「V8.4」の提供を開始した。新機能としてVR(バーチャルリアリティ)空間をワンボタンで出力できるパノラマ出力機能を追加している。

 日本銀行のマイナス金利政策の導入効果もあり、住宅業界の新築市場の動きは少しずつ上向き始めてきた。しかしながら、経済の先行きが不安視されていることなどから、住宅業界では新築住宅の受注活動のさらなる強化が課題となっている。

 UELは30年以上にわたり、大手住宅メーカーを中心に住宅設計3D ADシステムDigiDを開発・販売してきた。DigiDは家をPC上に再現する3D リレーショナルデータベース「3次元家モデル」により、家の床、壁、天井や住宅設備、備品などの3D形状および属性、仕上げ下地材情報などについて関係性をもって構築することができる。

 このDigiDの中で提供している住宅空間シミュレーションシステムがAIREALMEISTERである。3D空間を自由に歩ける体感型プレゼンテーション機能が特徴であり、プレゼンテーションに特化した業界営業向けソフトウェアだ。外観、内観、鳥瞰(ちょうかん)だけでなく、縦の断面も自由に見ることができるので、吹き抜けやスキップフロアなど図面だけでは難しい空間も把握しやすいという。

 今回発売したV8.4は、住宅および住設機器の販売を支援する機能やサービスを充実した。オプション機能の「V-Ray」が持つ静止画出力機能に、新たに2種類のパノラマ形式の画像出力機能を追加している。1つは全方位パノラマで、もう1つは、Oculus社とSamsung社が扱うGearVR形式。操作方法は通常のV-Ray静止画出力と変わらず、各パノラマ形式を選択するだけで利用可能。ワンボタンで高品質なパノラマ画像を出力する。また、レンダラーのV-Ray3.0に対応しており、レンダリングスピードも向上した(図1)。


図1 操作ダイアログと出力イメージ 出典:日本ユニシス

 さらに、同V8.4で出力した各パノラマ画像は専用ビューワなどで見ることが可能となった。ヘッドマウントディスプレイと併用して使用することで高品質なVRを体験できる。動作確認済みのヘッドマウントディスプレイ(2016年7月15日時点)は「Oculus Rift DK2」(全方位パノラマ形式のみ)および「GearVR + Samsung GalaxyS7 edge/S6 edge/S6」(全方位パノラマおよびGearVR形式)。

 同社ではこの新バージョンを大手住宅メーカーだけでなく建材メーカー、住宅FC(フランチャイズチェーン)・VC(ボランタリーチェーン)など、住宅建築およびリフォーム業界に対し販売していく方針だ。なお、V8.4は標準版サポート契約を締結しているユーザーには無償で提供する。

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