エコビルもっと省エネにするZEB化技術、エネルギー消費を50%削減:省エネビル(1/2 ページ)
ゼネコン各社が自社ビルの「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」化を図る動きが進んでいる。大成建設は札幌市の「大成札幌ビル」をリニューアルし、一次エネルギー消費量を50%以上削減する「ZEB Ready」を達成した。新技術を自社ビルに新技術を導入してノウハウを蓄積し、ZEB市場の開拓を強化していく方針だ。
大成建設は2016年7月28日、札幌市中央区「大成札幌ビル」のリニューアル工事を完了し、経済産業省の「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」定義において、一次エネルギー消費量を50%以上削減する「ZEB Ready」を達成したと発表した(図1)。
ビルやオフィスなどの業務部門の省エネが課題となる中で、政府を中心に年間の一次エネルギー消費量がネットでゼロなるZEBの普及に向けた取り組みが進んでいる。大成建設では2018年に「市場性のあるZEBの普及」を目標に、これまで自社の実証棟などで必要な技術の検証や、ZEB化のための計画・評価ツール「T-ZEBシミュレーター」の開発を行ってきた。
今回、大成札幌ビルが達成したZEB Readyとは、経済産業省が「ZEBを見据えた先進建築物として、外皮の高断熱化および高効率な省エネルギー設備を備えた建築物」と定義するものだ。具体的には一般的な建物と比較してエネルギー消費量が50%以下の建築物を指す。完全なZEB化を図るためには、太陽光発電などの自家発電システムで電力を補う必要があるが、その前に最低限クリアしなくてはならないのがこのZEB Readyだ。
大成札幌ビルは2006年3月に完成した。地上8階、地下1階建のRC造およびS造のビルで、敷地面積863平方メートル、延床面積6970平方メートル。大成建設が建設を進めていた環境性能を高めた「スーパーエコビル」の第1号建築である。既に自然換気システムや太陽光採光システムなどの省エネ技術を導入しており、CASBEE(建物総合環境評価制度)では最高評価のランクSを獲得している。
今回、大成建設はこの既に高い省エネ性能を持つ大成札幌ビルに、開発を進めてきたZEB化技術を複数導入することで一次エネルギー消費量50%削減を図った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.