統合ICT基盤でスマート工業団地を建設――中国でIoTを活用した街づくり:BIM/CAD
3D設計ソフトウェアなどの大手企業であるフランスのダッソー・システムズは、中国の大手投資グループであるCybernautと提携し、中国で3次元データモデルを中心としたスマート工業団地を展開する。
3D設計ソフトウェアなどの大手企業であるフランスのダッソー・システムズ(Dassault Systemes)は、中国の大手投資グループであるCybernaut Investmentグループと提携し、3次元モデルを生かした情報基盤「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」を生かしたスマートシティの構築に取り組む。
今回の合意で、ダッソー・システムズとCybernautは、複数の都市でスマートシティ化した工業団地を立ち上げる。両社は、中国の製造業の発展を目指す国家的施策である「メイド・イン・チャイナ2025(中国製造2025)」に沿って、中国のIoT革新に貢献する方針だ。
ダッソー・システムズは、シンガポールで既に「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」を生かし、街全体を仮想空間内に再現し、シミュレーションなどを用いて、街の課題解決などに役立てる仕組み「バーチャル・シンガポール」を展開中である(図1)。同プロジェクトはシンガポール国立研究財団(National Research Foundation、以下NRF)と共同で2014年12月から開発を開始し、2018年に完成予定としている。地理空間、地形(トポロジ)、人口動態、移動、気候に関する過去および現在のデータなども含み、このプラットフォーム上で、シンガポールの国民、企業、政府、研究コミュニティーが、シンガポールが直面しつつある複雑な課題に対処するために、ツールやサービスを開発できる。
ダッソー・システムズでは、中国でもこれらの「バーチャル・シンガポール」の実績を生かし、スマートシティ関連プロジェクトを進行する方針を示している。
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