ビルを管理して改善提案を作る、エネルギーの無駄やムラを早期発見できるソフト:エネルギー管理
ジョンソンコントロールズは2014年6月、ビルのエネルギー関連データを見える化するソフトウェア「EneWorks」の新版の販売を開始した。新版の主な特徴は3つある。クラウド型の利用形態を提供したこと、データ解析用のテンプレートの数を100種類以上に増やしたこと、表示可能なグラフの種類を追加したことだ。
ジョンソンコントロールズは2014年6月、ビルのエネルギー関連データを見える化するソフトウェア「EneWorks」の新版の販売を開始した。新版ではビル内に置いたサーバにインストールして利用する従来のオンプレミス型の利用形態の他、クラウド型の利用形態を選択できるようになった(図1)。
クラウド型の利用料金は月額2万円から。オンプレミス型の利用料金は450万円からである。
EneWorksは同社のMETASYSビル管理システムなどから、データを取り出し、見える化するソフトウェア。ビル管理者には日々のエネルギー使用量を監視し、無駄やムラを見つけ出す他、ライフサイクル全体にわたるコストを引き下げることが求められている。そのためにはビル管理システムから得られるエネルギー使用量や機器の運転時間、効率、温度など多数のデータを解析し、改善提案を作り上げなければならない。
EneWorksは膨大なデータを容易に解析できるよう、解析用のテンプレートを多数用意しており、マクロ作成やプログラミングを不要にしている。「従来版で数十種類用意されていたテンプレートを100種類以上に増やした」(同社)。BEMS解析指針テンプレートの他、国土交通省、空気調和・衛生工学会推奨解析テンプレートなどを利用できるため、公的機関に提出するレポート作成にも役立つ。
「ログイン後、表示されたビル管理システムのうち、分析したいものを選択、データを収集する。自動収集の他、手動でも収集が可能だ。自動を選択した場合には、トップページに登録されている『よく見るグラフ』(最大16個まで登録可能、図2)が表示され、当日の最新状況がグラフとして表示される。データをドラッグ&ドロップすることで、各種のグラフが作成できる」(同社)。なお、EneWorks自体には直接エネルギーを管理、制御する機能は備わっていない。見える化を目的としたソフトウェアだ。
EneWorksの新版ではユーザーエクスペリエンス(UX)を重視して、タッチパネルインタフェースに似たシンプルなユーザーインタフェースを採用した。表示可能なグラフの種類も増やしており、積層比較グラフやヒストグラムなどが利用できるようになった。
【訂正】記事の掲載当初、2段落目で「オンプレミス型の利用料金は月額450万円から」としておりましたが、これは「オンプレミス型の利用料金は450万円から」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。上記記事はすでに訂正済みです(2014年6月6日)。
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