大阪府で中小ビルの節電対策を促進、BEMS事業者の登録制度を開始:エネルギー管理
今夏も節電対策が求められる関西で、大阪府と大阪市がBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を普及させるための新制度を開始する。電力会社との契約電力が50〜200kWの中小ビルにBEMSを提案できる事業者を登録する制度で、5月23日まで受け付けて、6月上旬に公表する予定だ。
BEMS(ビル向けエネルギー管理システム)はオフィスビルで使用する電力量を計測して、空調や照明を制御しながら使用量を抑えるためのシステムである。電力のピークを低減することによって、電気料金を引き下げる効果が期待できる(図1)。特に電力会社との契約電力が500kW未満の中小規模のビルの場合には、30分単位の使用量によって電気料金が変わるため、BEMSを導入する効果は大きい。
大阪府と大阪市は合同で「おおさか版BEMS事業者」の登録制度を5月2日から開始した。契約電力が50〜200kW程度の中小ビルに対してBEMSを提案できる事業者が対象になる。5月23日まで登録を受け付けて、6月上旬から事業者を公表する予定だ。大阪府と大阪市が共同で運営する「おおさかスマートエネルギーセンター」を通じて、中小ビルのオーナーや管理者にBEMSの事業者と導入事例を紹介していく。
おおさか版BEMS事業者に登録するためには、2年以上にわたってエネルギー管理支援サービスを実施していることに加えて、契約電力が200kW未満の事業所に対して過去2年間に2カ所以上でBEMSを提供した実績が必要になる。登録後には年に1回の頻度でBEMSを使ったエネルギー管理支援サービスの実施状況を報告する義務がある。
中小ビルを対象にしたBEMSの普及策では、国が総額300億円の予算を組んで2012年度から2年間の予定で補助金制度を実施した。しかし制度の運用方法などの問題もあって、目標を大幅に下回ったまま途中で終了している。おおさか版BEMS事業者の登録制度も事業者のメリットを明確に示せないと、効果を上げられないまま終わってしまう懸念がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 基本料金を安くする対策 「契約電力を下げる」
知らないと損する電気料金の仕組み(1) - 小規模ビルのメニュー 「30分で1年間の料金が変わる」
知らないと損する電気料金の仕組み(5) - もっとスマートに節電しよう!(3)システムで自動化する
電気料金を安くする5つのステップ - BEMSの補助金制度が終了、目標を大幅に下回り7000件に満たず
中小規模のビルを対象にしたエネルギー管理 - 進化する節電対策、スマートメーターの普及で電力使用量は減る
2014年の電力メガトレンド(3)