電気機器だけでなくガス設備も制御するBEMS、光熱費を10%以上削減:エネルギー管理
東京ガスは中小規模の業務用施設に向けたBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)「楽省BEMS」を開発したことを明らかにした。空調などの電気機器だけでなく、ガスヒートポンプなどのガス設備を制御する機能を持つことが特長。
楽省BEMSは、床面積が5000m2〜20,000m2の施設を対象としている。空調、照明、換気といった電気機器だけでなく、ガスヒートポンプやコージェネレーションシステムなどのガス設備の運転状況を監視し、必要に応じて制御する。東京ガスの試算では、床面積が5000m2で、ガス空調を利用しているオフィスビルで光熱費を10%以上削減できたとしている。
このBEMSを利用するには、電力メーターとガスメーターにそれぞれ消費量を計測する計測器を取り付け、室内には温湿度センサーとCO2濃度センサーを設置する。さらに、制御対象となる電気機器やガス設備の状態を監視し、運転を制御するための装置を取り付ける(図1)。
消費した電力量やガスの量、温度、湿度、CO2濃度、機器の運転状態といったデータはインターネットを通して東京ガスが運営するサーバーに送信する。データはすべてサーバー側で集計、分析し、必要に応じて機器を制御する指示をビルに設置したコントローラに発信する。指示を受けたコントローラーは機器や設備の運転を制御する。
サーバーは当日の天気予報やビルの過去のエネルギー使用データを分析して、1時間ごとの電気とガスの使用量を予測するという機能も持つ。予測データを顧客に提示することで、その値を目標にした節電行動を促す効果があるという(図2)。
ほかにも、機器の運転状態を運転スケジュールを設定する機能も持つ。照明などの機器の運転スケジュールを決めてしまえば、消灯忘れなどで無駄な電力を消費することがなくなる(図3)。
消費電力量やガス量といったデータ、サーバーが予測したデータなどはタブレット端末に専用プログラムをインストールし、東京ガスのサーバーにアクセスすることで確認できる。タブレット端末から設備の操作やスケジュール設定もできる。
東京ガスはいくつかの施設に楽省BEMSを導入し、試験運用を始める予定。試験運用を経て、2013年度中には楽省BEMSを活用したサービスを提供することを明らかにしている。
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