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LED照明と太陽光発電とBEMSを導入、22階建のビルで37%の省エネを実現:スマートオフィス
三井住友海上火災保険は新築の本社ビルに全面的な省エネ対策を実施し、5月1日からオフィスとして利用を開始した。ほぼ全館にLED照明を導入したほか、屋上に最大出力30kWの太陽光パネルを設置し、ビル全体のエネルギー消費をシステムで制御する。
省エネ対策を実施したビルは、三井住友海上火災保険が東京・千代田区に2009年10月から2年以上をかけて建設した「駿河台新館」で、地上22階・地下3階の本社オフィスや店舗を含む複合施設である(図1)。
高さ102メートル、延べ床面積は6万平方メートルを超える大規模ビルに、LED照明を取り付けられる場所には全面的に採用したほか、屋上には太陽光パネルを設置した。ビル全体のエネルギー消費状況を把握して各設備の稼働状況を調整するために、BEMS(ビル向けエネルギー管理システム)も採用した。
同様のビルに省エネ対策を実施しなかった場合と比べて、電力などのエネルギー消費量を37.6%削減できる見込みである(図2)。
オフィスの照明には、明るさセンサーによる自動調光と人感センサーによる自動点滅の機能を持たせた。加えて建物の外側をガラスで2重構造(ダブルスキン外装)にして、その空間を換気するシステムを導入し、夏と冬に効率的な温度調整ができるようにした。
このほかにも、非常用発電システム、雨水や排水を再利用できるシステム、周辺施設へ空調用の冷水や温水を供給するシステムをビル内に装備して、災害時の停電・断水対策を強化した。
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