日立ソリューションズは、大手ゼネコンからサブコンまでの建設DXを実現する多様なソリューションを提供している。そのラインアップに、2025年9月からMetaMoJi(メタモジ)の「eYACHO(イーヤチョー) for Business(以下、eYACHO)」が加わった。
eYACHOは、現場でメモを取る野帳や図面、写真、帳票などをデジタル情報として一元管理する施工管理アプリだ。その多彩な機能と高い操作性は、多くの導入先で「使いやすい」と評価されている。
日立ソリューションズは、これまで建設DXの支援として「IT基盤」「建設DXコンサル」「製品/サービス」「協創」の4本柱を展開してきた。このうち製品/サービスにeYACHOが追加されたことで、今以上に建設業のデジタル変革を強力に後押し可能になる。
なぜeYACHOのパートナーとなったのか。その理由は他の販売代理店にはない、日立ソリューションズだからこその独自の強みがあるからだという。
手書き、録音、動画のデジタル野帳で高まる施工管理の現場力
eYACHOの特長は「手書き機能」にある。eYACHOをインストールしたタブレット端末で、PDFの図面や現場写真に、紙とペンに近い感覚で手書き入力ができる。手書きでも建設用語が正しく変換され、写真や動画と共に逐次デジタルデータで保存されるので、持ち帰っての手入力作業がなくなる。メモを取りながらの音声録音も可能で、メモや写真、図面と自動で紐づき、声による的確な情報伝達で作業の振り返りや指示の見逃しも防げる。
eYACHOから他のユーザーを呼び出し、複数の相手とリアルタイムでビデオ通話ができる「GEMBA Talk(ゲンバ トーク)」も現場で好評の機能だ。現場と事務所、本社など離れた場所にいる協力会社を含む関係者と、ビデオ通話と手書き入力によるリアルタイム情報共有で、手戻りが生じない円滑なコミュニケーションが実現する。
eYACHOで共有したデータはフォルダ構造で整理でき、報告書や指示書、作業計画といった帳票にまとめられる。施工管理帳票、検査記録表、安全衛生日誌、日報から月報を自動生成する各種テンプレートも標準搭載。帳票内のボタンをタップするだけで作成できる。
日立ソリューションズだからこその柔軟なカスタマイズ対応と伴走支援
日立ソリューションズがeYACHOに着目する契機となったのが、地方建設会社への建設DXのコンサルだ。2022年度から、従業員が働きやすい環境や建設現場の生産性向上を目指す、DXプロジェクトが始動したのに合わせ、IT基盤の整備で尽力した。その後、eYACHO導入を検討したいとの要望を受け、PoCを実施。1カ月テスト運用したログを分析し、社員アンケートや現場でのヒアリングを経て、現場適用に至った。
本格導入に際しては、帳票などのテンプレート標準化といった独自運用に応じるカスタマイズ対応、キーマン育成の講習会開催などの伴走支援で、現場利用の定着も図った。
その経験から日立ソリューションズは、eYACHOの現場での有用性や効果を実感。DXを推進する際の初期投入製品としての可能性を感じ、さまざまな業界でのシステム受託開発(SI)の実績を生かし、単なるライセンス販売にとどまらず、開発パートナーとなることを決めた。
APIで他のアプリや既存システムとの連携も
日立ソリューションズによれば、eYACHOのような施工管理アプリを一部現場で導入したが、全社導入や現場での定着までに至らないケースもあるという。利用定着には、既存業務やシステムへの組み込み、その会社独自の仕様への対応が不可欠で、そこに日立ソリューションズのSI力とeYACHOの相乗効果が期待される。
例えば、基幹システムとeYACHOを連携させることで、さらなる紙ベースの業務からの脱却も見込める。現時点ではeYACHOから他システムへのデータ送付は一方向のみだが、他システムからのデータをeYACHOで受信するAPIの公開も計画されており、双方向のデータ連携が可能となる。そうなれば基幹システムの情報をeYACHO上のノートで共有するなど、異なる業務システムやアプリ間でよりシームレスなデータ連携が可能になる。
日立ソリューションズはこれからeYACHOの開発パートナーとして、ライセンス販売だけでなく、個社ごとの業務に合わせたカスタマイズ対応と現場定着を見据えた有償の伴走支援で、より一層各社の建設DXをバックアップしていく。
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提供:株式会社日立ソリューションズ
アイティメディア営業企画/制作:BUILT 編集部/掲載内容有効期限:2025年10月8日