コロナ禍の収束やインバウンド需要の増加などを背景に、18時から翌朝6時までの経済活動「ナイトタイムエコノミー」が拡大している。夜間の屋外活動が活性化するのに伴い、夜の街を照らすエクステリア照明にも注目が集まっている。高まる需要に対し、パナソニック エレクトリックワークス社は2025年8月1日、多様な照明演出で居心地の良い空間を創出するLED街路灯を発売した。
ここ数年、新型コロナウイルスの収束による観光需要の回復などが後押しし、「ナイトタイムエコノミー」が活発になっている。18時から翌朝6時までを通して行われるさまざまな娯楽やアクティビティーの需要が高まり、夜の街中での人々の消費が増えている。
また、2020年には政府がウォーカブルな(歩きたくなる)街なかの形成や推進を「都市再生特別措置法等の一部を改正する法律」に盛り込んだことで、全国で官民連携による交流や滞在を促す都市計画が盛んに立ち上がり、夜の街でも居心地の良さが求められている。
このような社会変化を受け、夜間の屋外を照らす照明設備の市場にも変化が訪れている。従来は認知性や安全性、環境との調和などが照明需要の大半だったのに対し、時流を反映して利用者がその場所に留まりたくなる快適性や情緒的な豊かさを生む照明器具を導入するケースが増えている。
変わりゆく市場ニーズに対応すべく、パナソニック エレクトリックワークス社は夜の街を彩る照明器具や照明システムの開発に注力している。複数の照明設備を一括制御して照明演出するクラウドサービス「YOI-en(ヨイエン)」は、さまざまな光を放つフルカラー照明を活用し、クラウド上で夜を彩る照明演出を実現するサービスだ。これまでに「大阪・関西万博」などの大型イベントで利活用されている。
非日常の高度な演出ができる大掛かりな照明を提供する一方、シンプルで日常に溶け込むエクステリア照明でも、癒しや上質さを感じられる商品開発に取り組んでいる。
新しいエクステリア照明でキーとなったのは、「LEDフラットランプ」だ。明るさや光色、配光、点灯パターンを季節やイベントに合わせて選べる点が特長で、シチュエーションに合わせてスタンド型やスポットライト、キャンドルや蛍の明かりを再現したゆらぎ点灯、タイマー調光などのさまざまな種類をラインアップ。
メンテナンスも容易で、工具や資格がなくてもカチッとはめてクルッと回すだけでランプ交換が完了する。明るさや機能などを変更したい場合でも、照明器具ごとの取り換えが不要なため、廃棄ロスを削減する環境に配慮した灯でもある。
今回、LEDフラットランプを採用した照明器具として新たに加わったのが、LED街路灯「ポールスポット フラットランプタイプ」だ。商品名にもなっているポールスポットとは、均一で効率的に万遍なく歩道を照らす従来の街路灯と異なり、メリハリのある光を照射し、癒しや快適性などをもたらす照明のこと。近年、オフィスビル周辺や公園、駅前広場などの人が滞留する場所で採用されている。
新製品は、洗練されたシンプルな見た目ながら、LEDフラットランプによる高いカスタマイズ性とさまざまな機能のバリエーションで、場所ごとの雰囲気に合わせた屋外空間の演出に対応する。
1本のポールで最大上下2段の4灯まで計6通りの組み合わせが可能で、水平方向は360度どこでも照らしたい場所に合わせてセッティングできる。こうした自由度の高い灯具構造のため、1基だけでも植栽、歩道、ベンチなど複数の場所を照らせる。
光の演出は、非調光/調光、動的演出でムードを盛りあげる「ゆらぎタイプ」、内蔵タイマーで点灯を自動制御する「タイマー調光」、コントローラーで色温度や明るさを変える「シンクロ調光」の5種類が各専用ランプから選択。さらにフィルターなどのオプションも含めると、トータルで210通りもの自由なカスタマイズで、街づくり計画の細かな要望にも応じられる。
オプションのうち、灯具内に取り付けられるインナーフィルターは、まぶしさを抑える「ハニカムルーバー」と、ランプの色温度を約3000K、約4000Kに変換できる「色温度変換フィルター」がある。
灯具の外に取り付けるフードオプションは、グレアを低減する「スラッシュフード」と、地面に木漏れ日や水玉など4パターンの図柄を投影する「パターンフィルター付きフード」を用意。図柄を地面に映して来街者を楽しませる賑わいの創出など、より幅広い使い道が見込める。
従来製品のポールの高さは、街路での歩行や開けた場所での明るさ確保を目的に3.5〜4.5メートルとなっていた。
新製品は、ベンチやパークレット(道路上に設けた歩行者の滞留空間)近くでの設置を想定し、ヒューマンスケールのサイズ感で、座る場所を照らせる2.5メートルとした。都心部のオフィス街をはじめ、街中の人が滞留する空間を柔らかく照らすように配慮されている。
ポールスポット フラットランプタイプの製品価格は、照明器具やポール、ランプのセットで26万7600円〜(税別)。リリース間もない新製品ながらマンション敷地内や街路灯の切り替えで、既に多くの問い合わせが寄せられているという。
2025年8月22日の体験会で登壇したライフスタイルライティングビジネスユニット 商品企画部 エクステリア空間商品企画課 主務 佐々木健吉氏は「想定していた市場にリーチできているのを実感している。今後は再開発に携わる不動産デベロッパーやゼネコンなどの照明プランナーに積極提案し、街づくりでの採用を狙っていきたい」と意気込みを語った。街づくりで人々が集う滞留拠点が増えることを見据えた新設需要も見据え、さらなるラインアップ拡充も図る方針だ。
ポールスポット フラットランプタイプは、電材や空調、照明などの設備を建築的視点から捉え直し、器具のサイズや色、艶を統一したパナソニック エレクトリックワークス社の設計思想「Archi Design(アーキ デザイン)」に基づく、照明製品シリーズ「SmartArchi(スマートアーキ)」のエクステリア領域での1製品と位置付けられている。
SmartArchiの製品群はいずれも、輝度で考える照明設計に重点を置き、ソフトとハード両方の視点から照明の性能を追求している。エクステリア製品としては、2025年に入って、壁面を美しく均一に照射する「SmartArchiブロードウォッシャー ウォールウォッシャー スタンドライト」、壁面に取り付けて上下方向を同時に照らす「SmartArchi上下配光ブラケット(屋内外兼用型)」、ローグレア&超ワイド配光の壁に埋め込むフットライト「SmartArchiブロードウォッシャー フットライト ワイドタイプ」を順次リリース。多様な照明アプローチで、ナイトタイムエコノミーの快適性や情緒的な豊かさといった新たな価値観を提供している。
これからはポールスポット フラットランプタイプも含め、人が集う夜の街のさまざまな場所で、パナソニック エレクトリックワークス社のLED照明が暖かく照らす場を目にする機会が増えそうだ。
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提供:パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社
アイティメディア営業企画/制作:BUILT 編集部/掲載内容有効期限:2025年10月29日